
引用 P174
五年ほど前、異業種交流会であった実際の話だ。
都内ホテルの会場。エアコンで十分冷えた部屋の中で、Tシャツ姿の20代男性と、ブランドスーツに身を包む40代男性が議論していた。
20代男性は、オレンジジュースが入ったグラスを傾け、目をキラキラさせて言った。
「僕らは世界から貧困をなくしたいんです。そのため、衛生環境を改善するために、井戸を掘るプロジェクトを進めています」
40代男性は、シャンパングラスを傾け、諭すような声で応えた。
「とてもいい心がけだけれども、現実的に考えようよ。キミ、それでどうやって食っていくんだね?」
それを聞いた20代男性は、心の中で叫んだそうだ。
(いまの世の中、どうすりゃ食えなくなるようにできるんですか!)
シャンパングラスの男性の「現実的に考えよう」という言葉は、経験に基づく賢いアドバイスのように思える。しかし、震災後の日本の状況では、どちらが現実的だっただろう?
現実的じゃなかったのは、むしろシャンパングラス。
このように「現実」という言葉ほど、不確かなものはない。

| この本の評価:★★★★★ オススメの理由:先が見えなくて不安なタイミングがありますが、この本のように未来を予測してもらえるとスッキリします。複数冊購入して人にあげたくなったのは久しぶりです。 オススメの対象者:「先が見えない」「将来が不安」という方 |
Author:yossy
千葉市在住の30代です。子供の頃から読書が好きで好きで好きで好きで、無人島に行くなら書店を持っていきたいです。
幼少期の読み聞かせから、童話、名作、コミック、ビジネス書、フィクション、月刊誌、オヤジ系雑誌まで何でも読む活字中毒です。本がないと眠れません。
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